• お問い合わせ
  • English
  • 検索

ò
  • HOME
  • Solution areas
    • 人間らしさ
    • 繊維
    • 感性
    • 加齢
    • 環境
    • 住空間
    • 食
    • 移動
    • 超高齢社会
  • Innovation partners
  • Articles
  • Video contents
  • メールマガジン登録

Articles

Articles一覧

炭素集約度をめぐる産業界の動き

テクノロジー環境資源

気候変動危機が迫るなか、産業界では温室効果ガス排出削減への圧力が強まっています

石油・ガス産業


石油・ガス産業は、化石燃料生産からの脱却をあらゆる方面から強く求められています。炭素集約度の規制が厳しくなっているだけでなく、投資家は持続可能な資産にますます関心をもつようになってきているからです。

2020年12月、EUの主要な石油・ガス生産者であるデンマーク政府は、北海の石油とガス探査に対するすべての認可を今後取りやめると発表し、化石燃料時代の終わりを実質的に宣言しました。同政府は北海におけるすべての石油・ガス生産を2050年までに終わらせることを目指しています。

この大きな動きがあったのは、2020年7月にOGCI(石油・天然ガス気候イニシアチブ)が低炭素社会への移行を加速させるために、加盟企業(世界の石油とガス生産の30%以上を占める)の平均炭素集約度の合計を2025年までに2017年平均値以下にまで低下させると発表してから、まもなくのことでした。

すでに多くの石油・ガス企業は低炭素を前提とした事業展開に舵を切っています。フィンランドのエネルギー企業であるネステは、石油精製からバイオ燃料加工への切り替えを始めました。また、世界有数の石油・ガス企業のひとつであるBPは、統合型エネルギーに移行を進めていることを発表しました。同社のグローバルサイトでは、人々と地球のためにエネルギーを再構築していると謳っています。

陸上輸送産業


米国とカナダの陸上輸送産業は、低炭素代替燃料へ徐々に移行することにより、温室効果ガス排出量を削減することを強く奨励されています。

カリフォルニア州は、アメリカ大陸で最も厳しい低炭素燃料基準(LCFS)の規制を採用した最初の州でした。2009年に承認された後、現在は2030年まで延長して適用されています。

カリフォルニア州の輸送燃料供給業者は、自社の燃料がLCFSの厳格な炭素集約度基準を満たしていることを毎年証明しなければなりません。コンプライアンスの評価には、消費エネルギーの単位あたりの炭素排出総量を測定する「炭素集約度スコア」(gCO₂e/MJ)が主に用いられます。

LCFSの規制はカリフォルニア州で短期間のうちに著しい効果を出したため、オレゴン州とブリティッシュコロンビア州も同様の規制を採用することを決めました。オレゴン州では、2009年から10年間で平均炭素集約度が10%低下することに成功しました。さらに、オレゴン州とブリティッシュコロンビア州は、2030年までに平均炭素集約度を20%削減するとしています(オレゴン州では2015年、ブリティッシュコロンビア州では2010年の平均値と比較)。なお、ブリティッシュコロンビア州は2020年7月までにこの目標を見事達成したということです。

続いて、ワシントン州は2021年5月にLCFS規制を採択。ミシガン州やニューヨーク州を含むアメリカの州ならびにカナダのすべての州と準州においても、LCFSと同様に厳格な規制を採用するかどうかについて本格的に検討が進んでいます。

海運業

温室効果ガスによる地球規模の危機的状況の影響は、これまで厳しい排出規制から逃れてきた海運業界にも及んでいます。国連持続可能開発目標(SDGs)を支持する立場にある国際海事機関(IMO)は2018年に世界中の船舶からの排出される温室効果ガスを段階的に削減するための戦略を採択しました。

船舶による海洋汚染の防止と、安心安全な輸送の確保に努める国連機関であるIMOには、世界中の海運業界にくまなく法的拘束力のある規制を導入する権限があります。2020年にはこの権限を利用して、国際海運業の炭素集約度を2030年までに40%、2050年までに70%削減するなどの具体的な目標を導入しました。

目標達成のためには、大型船舶は2024年から毎年2%の炭素集約度を低下させなければなりません。また、IMOは今後さらに厳しい排出規制を進めると考えられています。水素やアンモニアなど環境にやさしい代替燃料の使用を促進するために、実質的に炭素税を導入する可能性もあります。

このような厳格な規制は物流コストを増大させ、国際貿易を妨げることになるのではないかと危惧する人もいます。一方で、世界の海運業界が、規制の要件を満たし環境に利益をもたらすための画期的な技術の開発に資金を提供すると前向きに考える人もいます。

https://www.mckinsey.com/industries/oil-and-gas/our-insights/the-big-choices-for-oil-and-gas-in-navigating-the-energy-transition
https://thejacobsen.com/news_items/states-considering-lcfs/
https://ww2.arb.ca.gov/our-work/programs/low-carbon-fuel-standard/about
https://www.reuters.com/business/sustainable-business/eu-presses-shipping-regulator-tougher-carbon-reduction-standards-2021-06-03/
https://ihsmarkit.com/research-analysis/IMO-2023-impact-on-lpg-shipping.html
(英語の外部リンク)

2021.10.21

    ご意見・ご要望がございましたら以下よりご連絡ください。
    ※お送りいただいた内容に関するご返信は致しませんので、あらかじめご了承ください。

    This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

    お薦め記事

    • Space Sustainabilityとは

    • ライフサイクルアセスメント発展の先頭に立って — 持続可能な開発の進捗共……

    • 経済と社会がともに発展する未来へ - 自転車で世界をまわりサステナブル・……

    • カーボンニュートラルと安全な社会の実現

    • 欧州に拠点のあるTeijin Aramidが考えるSustainabil……

    人気記事

    • 持続可能な工業製品の生産・活用を支える新…

    • 異業種の協業で脱炭素化を加速、循環型社会…

    • フェムテックで支える女性の活躍

    • 富士通×帝人 ~サステナビリティ・トラン…

    • 歩行データの解析から、パーキンソン病治療…

    1. HOME /
    2. ARTICLES /
    3. 炭素集約度をめぐる産業界の動き

    関連サイト

    • アラミド
    • 複合成形材料(英語)
    • 炭素繊維
    • 樹脂・加工
    • 繊維・製品
    • Teijin Mobility Online
    • Teijin Sustainable Mobility
    • The Next 100
      Think Human Exhibition
    • ご利用条件
    • プライバシーポリシー
    • Cookieポリシー
    • ソーシャルメディアポリシー
    • お問い合わせ
    Copyright © TEIJIN LIMITED. All rights reserved.