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産業廃棄物に関する3つの成功事例

イノベーション環境資源

誰もが苦慮する廃棄物処理問題を見事に解決

廃棄物をEUの収入源に転換


シリカフュームは、シリコンやシリコン合金の製造時に発生する超微粉です。1970年代半ばまでは、廃棄物でしかないと考えられ、毎年何十万トンもEUの埋立処分場に投棄されていました。

しかし、EUの産業廃棄物排出規制の強化と埋め立て処分費用の上昇により、EU内の企業は他の廃棄物管理の方法を模索せざるを得なくなりました。そして、さまざまな調査結果をもとに、シリカフュームをコンクリートに加える試みが行われ始め、結果としてコンクリートの強度や耐久性を大幅に向上させることになったのです。

その後数十年にわたり、この技術がヨーロッパ全土で広く採用され、シリカフュームの投棄量が大幅に削減されました。実際、シリカフュームを販売することは、ヨーロッパ各地の製錬工場にとって重要な収入源となりました。これらの工場では、より多くのシリカフュームを得るために、工場での排出量を劇的に削減する先進的なダストフィルターを開発し、結果的に空気の清浄化と健康的な労働環境が実現したのです。

シリカフューム配合の強化コンクリートを広く使用することで、ヨーロッパでは一年間に必要なコンクリートの需要が数十万トンも削減されました。2018年単独の社会的な効果は、推定で最大4,300万ユーロの節減と454,800トンのCO₂削減につながったとされています。また、2021年の研究結果によれば、シリカフュームは、再生骨材コンクリートを強化することができ、これにより、コンクリートのリサイクルの増加につながる可能性があります。

デンマークでは廃棄物を資源として共有

誰もがサステナビリティについて語る一方で、デンマークのカロンボーにあるカロンボーエコ工業団地のように、実際に実現した事例はほとんどありません。ここでは、2つの企業から始まった小さなパートナーシップが次第に発展し、12の公的企業と民間企業が互いに利益を得るために緊密に協力するエコシステムにまで成長しました。

これらの企業は、自社の産業廃棄物を効率的に収益化したり、他社が利用できる資源に転換したりしています。製薬会社から排出されたスラッジは、農場で作物の肥料となります。バイオテクノロジー企業の有機廃棄物は、製油所でバイオガスを発生させてくれます。また、電気事業者で発生した蒸気を販売し、コミュニティ全体の収入につなげています。これらは数多くある産業廃棄物の収益化事例のほんの一部です。

共生社会において廃棄物や他の資源を共有することで、工業団地内の企業は廃棄物や汚染の発生、運営コスト、税金を大幅に削減することができます。合計で、年間2,400万ユーロ、635,000トンのCO₂、360万m3の水、エネルギー100GWh、固形物質※87,000トン*を削減することができると推定されています。廃棄物の共同利用が、企業の利益になり、環境へのニーズに応えることを証明するものです。

カロンボーエコ工業団地の成功は、スウェーデン・ノルショーピンのハンデロエコ工業団地、ノルウェー・ヴェストランドのモングスタッド工業団地など、北欧で同様のプロジェクトの推進に良い影響を与えています。

オーストラリアではスクラップEPSのリサイクルで利益化


メルボルンに本社を置く発泡スチロール(EPS)包装メーカー、ポリフォームオーストラリアは、EPS廃棄物を可能な限り多くリサイクルしたいと考えていました。そこで、スクラップとなったEPSを燃やしてエネルギーを発生させたり、溶解して固体ポリスチレンにしたり、圧縮して海外で販売するなど、さまざまな方法を試みました。しかし、いずれも十分な収益化には至りませんでした。

同社は、メルボルン首都圏の廃棄物管理と資源再利用を行う政府機関「都市廃棄物再利用グループ」と提携し、製造現場で廃棄されたEPSから新たに厚肉の製品を成型する機械の試作を始めました。目標は、社内で発生するEPSの廃棄物を100%自社リサイクルし、オーストラリア国内向けにリサイクルした製品を生産することでした。

両者による取り組みは様々な課題を乗り越え、ついに100%EPSのリサイクルが可能な世界初の機械の一号機を完成させることに成功しました。現在では、オーストラリアで8カ所ある生産拠点で廃棄EPSを100%リサイクルしているほか、地域の人が持ち込んだ汚れていないEPS包装物のリサイクルも行っています。

https://op.europa.eu/en/publication-detail/-/publication/f0d22e0c-7821-11e8-ac6a-01aa75ed71a1
*https://www.engieimpact.com/insights/eco-industrial-park-case-study-kalundborg
https://smartcitysweden.com/best-practice/186/industrial-symbiosis-at-handelo-eco-industrial-park/
https://www.mongstadindustrialpark.no/
https://www.mwrrg.vic.gov.au/assets/resource-files/Case-Study-Polyfoam-20200803.pdf
(英語の外部リンク)

2021.10.21

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