フランス大手送電会社のイノベーションエコシステムとは?
フランスの電力網および電力供給は、今後5年間で、エネルギー転換の必要性とイノベーションの要素の一つてあるデジタル化により、さらに大きく変化すると考えられています。この変化に対応するため、フランスの大手送電事業者であるRTE社※は、大学・スタートアップ企業・技術サプライヤーなどとのパートナーシップを結び、独自のイノベーションエコシステムを構築しています。
※RTE(Reseau de ransport d’Electricite)は、フランスの高電圧送電網の運用・管理・開発を行っている欧州最大規模の送電事業者で、フランス全土およびヨーロッパに電力を供給し、ヨーロッパの事業者として最大の10万キロに及ぶ電力網を運営しています。
イノベーションエコシステム構築のための様々な施策の中の一つとして、RTEは、オープンイノベーションチャレンジに着手しました。チャレンジを通じて目指しているのは、環境問題に取り組むこと、CSRの一環として最近の消費者の期待に応えること、そして、将来の送電網にイノベーションをもたらすことの3つです。
このチャレンジは、「フランスのインフラを最大限に活用し、送電網をより環境に優しいものにするために、どのような革新的ソリューションを導入できるか?」というテーマで、スタートアップ企業や中小企業、学生、慈善団体、デザイナー、建築家、アーティストを対象に実施されました。
本チャレンジにおいて、次の6つのテーマが提示されました。
1. 廃棄物管理 – 廃棄物をどのように管理処理し、その評価を行えるのか?
2. 地域住民との話し合いと住民への働きかけ – 工事や改修の影響を受ける住民と、どのようにしたらスムーズな話し合いができるか?
3. 副産物からの価値の創造 – 副産物からどのように価値を創造できるか?
4. インフラの新しい利用方法 – 現在のインフラをどのように強化できるか?
5. 鳥類の保護 – 送電線から鳥をどのように守ることができるか?
6. 騒音の低減 – 送電で発生する騒音をどのように低減できるか?
最終選考に残った10チームが、RTEの経営陣と専門家による審査員に加え、外部審査員としてデジタル美術館のゲテ・リリックに在籍する方1名の最終審査員の前で、自分たちのプロジェクトを発表しました。今回のチャレンジでは、以下4チームが選ばれました。
1. ENEO BIO DIV GO
2. ECO TECH CERAM
3. WEAVAIR
4. ATELIER 146
RTEは、優勝チームに対し最大で8万ユーロを支援し、提案プロジェクトの本格的な検証のための開発を開始する予定になっています。また優勝チームには、RTE電力網の内部を体験できるVIPツアーの機会が与えられます。
イノベーションは簡単ではありませんが、ビジネスにとっては重要な要素ものです。Agorizeは、オープンイノベーションチャレンジを通じて、より早く、より効果的に、より価値を生み出す分野でイノベーションを起こすことができるよう顧客を支援するのが重要と考えています。顧客がビジョンを行動に移すためにAgorizeがどのようにお手伝いしているかについては、各事例をご覧ください。
Challengeページを見る(英語の外部リンク)
https://www.agorize.com/en/challenges/rte-smart-innovation
Agorizeは2011年フランス発、オープンイノベーションとタレントエンゲージメントに特化したグローバルクラウドシステムを提供するスタートアップ企業です。独自のSaaS型マネジメントシステム提供と世界500万以上のイノベーターネットワーク連携を通じて、これまで300以上の世界中の企業・行政・組織のオープンイノベーションチャレンジやハッカソンなどの取り組みを支援しています。
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